留美子のひとり鉄道旅(29)

  消えゆくJR寝台列車
    
  


 2007年11月18日付の朝日新聞朝刊に「東京駅発 消えゆくブルトレ」のタイトルで、ブルートレインが廃止されるという記事が載っていました。
 2008年3月で、東京〜大阪の寝台急行「銀河」、京都〜熊本・長崎の寝台特急「なは」「あかつき」が廃止されるというのです。そして、2009年春には、一時は、東京〜西鹿児島を1日以上かけて最長距離を走った寝台特急ブルートレインの代表格でもある「はやぶさ」も廃止される予定なのだそうです。
 「はやぶさ」は、現在は、東京〜熊本に短縮されて、東京〜大分の「富士」と、東京〜門司間を併結して走っているものの、ブルートレインとしてはやはり代表格なのではないでしょうか。東京〜札幌の「北斗星」も有名ですが、走ってきた

←ブルートレイン「はやぶさ」のB寝台車内にて.熊本〜東京を乗車
歴史からいくと、「はやぶさ」「富士」は、なんといっても、現在残っているブルートレインの代表的存在なのだと思います。
 現在、豪華寝台列車(カシオペアやトワイライトエクスプレス)が人気を博していますが、「はやぶさ」「富士」はごく平凡なブルートレインで、車両種の基本は4人のコンパートメントとなっているB寝台で、A寝台個室やB寝台個室はそれぞれ1両だけ。車内設備も今となっては古くなっていて、ナルホド、このままでは生き残れないだろうなあと思ってしまいました。
 見知らぬ者が同じコンパートメントになるというのは、一昔前までならば、それも「旅は道連れ」で旅情のひとつだったのでしょうが、今は、2人ペアの個室か1人の個室で、他人に気をつかうことなく寝て旅ができなければ廃れていくのでしょう。
 検札にきた乗務員の方に聞いてみました。
「北斗星やカシオペアみたいに豪華寝台列車になって生き残れないものか」と。

 新幹線に流れてしまうのですよ。九州新幹線が全通すれば、鹿児島までだって便利に早く行けてしまいますからね。
 新幹線だけでは行けない都市とを結ぶ寝台列車で、人気がある個室を中心に設定されているものは、まあまあ元気にがんばっているようです。
 「カシオペア」や「トワイライトエクスプレス」はA寝台が基本で、食堂車もついて豪華な設定なので、寝台料金もけっこう高くなっています。ところが、B寝台個室を中心に編成が組まれていて、リーズナブルな価格で乗れるのが「サンライズエクスプレス出雲と瀬戸」。私が乗ったのは、東京〜出雲市を結ぶ「サンライズ出雲」なのですが、岡山までは「サンライズ瀬戸」と併結して走ります。
 設備も古くなったブルートレインとちがって、こちらはけっこう新しい車両なのです。

 ブルートレインは、電気機関車が牽引する客車タイプの寝台列車なのですが、「サンライズ出雲」は電車方式の寝台列車なのです。昔にも、電車タイプの寝台列車はありましたが、あれは、昼間は座席特急として使い、夜は寝台列車として使うという、車両運用をフル回転させる目的でつくられたものでした。「サンライズ出雲」は電車タイプとはいっても、寝台列車に特化したつくりとなっていて、電車であるため速度も速く、なかなか快適な寝台車です。
 B寝台個室が基本で、1階と2階にわかれています。2階の方がおすすめです。眺めがいいし、窓もたっぷりと大きく、立っても天井に頭がつかえるということもありません。居室はセンスのいい木調のつくり。これでも、「はやぶさ」のコンパートメントB寝台に比べて1000円しか高くないことを考えると、かなりオトクだといってもいいぐらいです。
 東京駅は夜10時発。プハーッとビールでも飲んで眠りにつき、窓から太陽光が差し込むようになって目を開けると、そこは、伯備線を走っていて、中国山地を横断している最中です。うーーん、もう少し寝よーっと。なんてウトウトしていると、電車は、米子をすぎ松江にさしかかろうとしています。まもなく、終点の出雲市です。
 他人を気にすることなく、よく寝れました。