|
|
![]() |
![]()
最近、自分が「テツ※」だということを堂々と言える時代になってきたのかなあと感じます。テレビドラマの「特急田中3号」は「テツ」をストーリーの背景にしていますし、ドラマの中に出てくるバーのセットは、マニアが喜びそうな多くの品々が小道具として使われていたりします。
※鉄道マニアのこと.女性の鉄道マニアのことを「鉄子」とよぶこともあります.
さて、鉄道模型が店内を走っているバーが銀座にあると聞き、さっそく行ってみました。お店の名前は「銀座パノラマ」。たしかに、カウンターの前をかわいい16ミリゲージの鉄道模型が走っています。この日は、たぶん電車寝台のサンライズ出雲・瀬戸だろうと思われる模型と、SL牽引のブルートレインの模型が動いていました。
バーにこんな模型がおいてあるところは私としても初めてですが、でも、「特急田中3号」にででくるような、いかにもテツが喜びそうなアイテムの数々がおいてあるというほどではありません。
メニューをみると本格的なバーです。かなり数多いカクテルのメニューが並んでいます。定番のカクテルはもちろん、オリジナルのカクテルもありました。
鉄道にかかわるバーに来たのですから、ここは鉄道に関するカクテルを、ということで、その昔、南満州鉄道の広告塔的な列車だった特急あじあ号で、実際に供されていたカクテルとかいうものを注文してみました。ネーミングも「あじあカクテル」。当時、あじあ号の車内ですごく人気があったカクテルらしいです。
出されたカクテルは、きれいなグリーン。そうそう、この日、私が着ている服の色もミントグリーンで、同色系のソックスをコーディネートしていました。服のコーディネートに合うカクテルだーい。わあお洒落。なんて思いながら、そっと口に持っていくと、ミントの香りがフワーッと漂ってきました。うん、これだったら自分でもつくれる。明日、さっそくつくっちゃお。あの特急あじあ号のカクテルということのロマンに思いを馳せながら。
![]()
ミントのリキュールとウォッカをベースにしたカクテルのようです。ミントが苦手な人は飲みにくいかもしれませんが、私はけっこう好きな方なので、なかなかグッド。
この日は、ちょっとした「小さな旅」で、東京の下町、寅さんで知られる柴又に行き、その帰りに「銀座パノラマ」に寄ったのです。
いまにも寅さんが飛び出してきそうな風情を残している京成線の柴又駅から帝釈天までの参道。そして、その帝釈天から10分ほど歩いたところに、歌にも謳われた「矢切の渡し」があるのです。右の写真はそこで撮ったものですが、これがこの日のコーディネート。ミントグリーン系でコーディネートされているので、カクテルのあじあとマッチしちゃったというわけです。
その昔、裕福な人たちが、当時の超特急「あじあ号」で旅し、その列車内でこんなカクテルを飲んでいたなどということに思いを馳せると、ちょっぴりセンチメンタルになりました。
でも、このカクテルとともに、あじあ号というのは、日本の中国東北部(満州国と言っていた)への侵略のシンボルだったという過去にも思いを馳せることを、平和に隣人関係をつくっていく私たちの心構えにしたいと思っています。
このお店の料金は、ちょっと高めかなあ。もっとも銀座ならばそれが当たり前なのかもしれませんが。
カクテルは1杯、1280円。クリームチーズの味噌漬け(けっこう美味)が900円程度。カクテル2杯とクリームチーズの味噌漬けを注文して5800円弱の料金になりましたので、気軽に入れるお店ではないかなあ。
南満州鉄道のあじあ号(集英社「図説 昭和の歴史」より)→
★特急あじあ号は、戦前、中国の東北地方を疾駆していた当時の世界としては最速の列車。日本国内の線路のゲージが狭軌だったのに対して、あじあ号は標準軌を走りました。日本では達成できなかったスピードを、日本の技術陣はここで達成したわけです。
★傀儡国家である満州国を建国して侵略をすすめていった日本は、南満州鉄道株式会社を設立して、この会社が満州国開拓の中心になりました。当時の国際機関である国際連盟のリットン調査団が満州国を視察し、この国が日本の傀儡国家だということを国際連盟に報告します。その報告に不服な日本は、国際連盟の全権だった松岡洋右がその会議場から退場し、日本は国際連盟を脱退することになります。その後は、日本は中国侵略の道をひた走り、平和理の解決がどうにもいかなくなりズルズルと深みにはまりこんでいきました。そして、アメリカをはじめとする連合国を敵にまわし、日本は破滅への道をすすんでいったのです。日本の優秀な鉄道技術が侵略の道具として利用されたという、ちょっと悲しい歴史を持っているのが特急あじあ号。あじあカクテルはその列車に乗って旅する裕福な人たちが飲んでいたという意味で、歴史的なカクテルなのかもしれません。