留美子のひとり鉄道旅(16)

 テツが知っている
       お得な快速列車
     


 野田隆さんという作家がいる。鉄道に関連する本を書かれている方で、ご本人も自分のことを「鉄ちゃん(鉄道マニア)」と自認しておられる。この方が書かれた近著『テツはこう乗る』(光文社新書2006年4月)を発売された頃に購入し熟読した。

 野田さんは本業は都立高校の教員だということで、私と同業者。親近感もわいてくる。 この本に書かれていた情報では、男性の「鉄ちゃん」はそれなりの数いるようだが女性の人はかなり少ないとのこと。そして数少ないひとりに矢野直美さんという方がいて、女性だという希少価値もあってか、今、ちょっともてはやされている。矢野さんが書かれた近著は『おんなひとりの鉄道旅』(小学館)。男性だか女性だかわからない私(できれば本人は女性でありたいと思ってはいるが)も「テツ子(女性の鉄道マニア)」の仲間入りしたいなと思っている昨今。このところ、鉄道でいろんなところを回るのが好きになってきた私である。とくに、主としてJR東日本管内ではあるが、大人の休日倶楽部に入れる年齢資格になってからは、格安で旅行できる期間には必ずといっていいぐらいにあちらこちらと回るようになった。12000円でJR東日本管内プラス函館と金沢を含めたエリアが3日間乗り放題、しかも、JR東日本が管轄する新幹線を含む特急についても指定席がとれて乗り放題(ただし指定は6回まで、6回もあればふつうは十分)というのだから、これはうれしい。東京から新幹線「はやて」を利用して函館に行って、帰りは新潟を回って、さらに山形とか秋田に行って、新幹線の「こまち」や「つばさ」に乗る。それでも12000円。これは本当に安い。青春18きっぷの1日2300円には負けるが、こちらは普通列車にしか乗れないことを考えれば、なんともお得なフリーパスである。JR東海さんやJR西日本さんも、ぜひこのようなプランを発売してもらいたい。
 野田さんの『テツはこう乗る』には、私も乗車したいろいろな鉄道のことが書かれている。この本での紹介もしながら、私が乗った体験記をご賞味あれ。

 テツだけが知っているお得な「快速列車」(138頁)では、いくつかの列車が紹介されている。特急車両を使いながら、それでいて特急券がいらない快速列車がそれにあたるようだ。私はその筆頭は、秋田から青森までの日本海側の五能線を走る「リゾートしらかみ」だと思っているが、これは正確にいうと特急車両そのものではなく、既存のディーゼルカーの改造車である。実に快適に改造されていて、座席は特急車両よりもっといい。足回りがゆっくりしている。これと並ぶ快適な車両は「スーパー踊り子」ぐらいではないだろうか。
 『テツはこう乗る』の本では、信越本線の長野と直江津間を走る快速「妙高」、そして、新潟と酒田をむすぶ快速「きらきらうえつ」のことが紹介されていた。私はこの両方ともに、青春18きっぷや「大人の休日倶楽部3日間フリーパス」で乗ったことがあるが、「きらきらうえつ」は特急に乗るよりずっといいぐらいだ。特急よりは時間がかかるが、それでも10分とかそんなところである。
 「きらきらうえつ」は全車指定であるため自由席という選択肢はないが、「妙高」は自由席が中心で指定席車両も付属しているといった電車。こういう電車だと指定席をとるといい。青春18きっぷでは510円余分にかかるが、「大人の休日倶楽部フリーパス」だと指定が6回以内ならば無料で使える。
 自由席と比べると車内はガラガラである。席を回転させてボックス風にして4席を独り占めすることだって可能なぐらいだ。快速の指定車両はまさにねらい目だ。このことも『テツはこう乗る』で書かれていた通りだった。