留美子のひとり鉄道旅(12)

 九州新幹線に乗っちゃった
   
〜ゆったり座席のつばめ号〜


↓鹿児島中央駅にて

 九州新幹線「つばめ」は、鹿児島中央と新八代間が先行して開通した。新八代と博多間の開通にはあと数年かかるとのこと。
 東日本に住んでいると、九州新幹線に乗る機会はなかなかないだろう。今回、私の実家の熊本に帰省する機会をとらえて、つばめに乗ってみようと計画したのだった。
 熊本と鹿児島間は、昔はかなり遠いイメージがあった。博多までは行きやすいが、鹿児島となると列車の本数も少なく、時間も3時間近くかかったような気がする。ところが、今では、鹿児島中央駅から熊本まで、新幹線と在来線を乗り継いでも1時間で行くことができる。新幹線区間はたった30分。鹿児島はぐっと近づいた。

 九州新幹線・つばめの案内表示は、ちょっと変わっている。なにが変わっているかって?
 つばめ54号/つばめ18号、行き先は「博多」になっている。鹿児島中央駅(新幹線開業までは西鹿児島駅といっていたところ)での案内表示。でも、現在、新幹線は、鹿児島中央駅から新八代までしか開通していない。それから先、博多までは在来線を利用することになる。
 たとえば、東北新幹線・はやて号の案内表示は「青森行き」とか「函館行き」となっているだろうか? 東北新幹線の現在の終点である「八戸」と表示されている。ところが、九州新幹線では、新八代ではなく博多と表示されているのだ。これはなかなか面白い。
 新八代・博多間は「リレーつばめ」という在来線の特急が走っているのだが、新八代での接続は、わざわざ在来線のホームに行く必要はない。新幹線が到着するホームと同じホームの対面に出発を待つリレーつばめが待機している。だから接続時間は2分ほどだ。確かに乗り換えはするのだが、あたかも一体感ある列車ということなのだろう。気分は、もう鹿児島中央から博多

までのフル開通ということか。ともあれ、それほど、九州にとっては待ち望んだ新幹線だったのだ。
 東海道新幹線が山陽新幹線へと西に延びていき、うーーんと前に東京から博多までは開通した。熊本や鹿児島までももうすぐだと待っていたら、フル規格になるのか秋田新幹線みたいに在来線共用タイプとなるのかとかやきもきさせられ、結局、最初の開通は21世紀になってしまった。やっとあと数年で、博多と鹿児島が結ばれるとなったことから、気分は早々と、新幹線「つばめ」、行き先は「博多」という案内表示になったということだろう。

 後発の、しかし最新の新幹線というだけあって、車内設備は、他のどの新幹線より勝っている。
 普通車の座席でも(ちなみに現在グリーン車はない)他の新幹線のグリーン車なみだ。東海道新幹線ののぞみ号にしろ、東北新幹線のはやて号にしろ、普通車は横5列で、3席と2席の組み合わせになっている。ところが九州新幹線は、2席と2席の4列じたてだ。当然、座席の横幅はゆったりしている。
 JR九州は、他の特急でも(たとえば別府〜熊本〜人吉を走る九州横断特急、吉松〜鹿児島中央のはやとの風)、床や座席をウッディ仕立てにしているのがあるが、九州新幹線もそうだ。木のぬくもりが温かみを感じさせる。ちなみに、九州新幹線では、窓のブラインドまでウッディだ。
 照明もぬくもりがある色を採用している。白色の蛍光灯ではなく電球色の蛍光灯を使っているようだ。
 今回、九州新幹線に乗ったことで、日本の新幹線は、そのすべての線区を踏破したしたことになるが、九州新幹線は一番くつろげる、落ち着きのあるものだと思う。

 新幹線・つばめに乗り継いで、在来線の新八代〜博多間を走っているのが「リレーつばめ」。その風貌は、ちょうど、フランスの新幹線であるTGVを彷彿とさせる角張ったスタイルだ。
 このリレーつばめの車内も、普通車でありながらグリーン車なみだった。ウッディではなかったが、落ち着いたブラウンを主体とした色調。それになんといっても、座席間隔の広さがすばらしい。
 足をうーんと伸ばしても、前の座席に届かない。とにかく足回りにゆとりがある。このゆとりは、新幹線・つばめよりさらに上をいく。普通車で私が乗った列車で、これだけの足回りのゆとりがあったのは、秋田と青森にまたがる五能線を走るリゾートトレインの「リゾートしらかみ」だけだ。ほぼ同じぐらいのゆとりであるように感じる。