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JR東日本は、ときどきけっこうオトクなきっぷを発売することがある。
一般向けもさることながら、「大人の休日倶楽部ミドル」の会員を増やしたいためなのかどうか、会員用のきっぷで、すごくオトクなものがでてきた。
12000円で、JR東日本管内全線乗り放題で、しかも、青春18きっぷとちがって、特急の指定席が6回まで利用できるというもの。自由席であれば3日間だったら無制限に乗れる。2006年の春は、3月上旬に設定日があった。
モトをとってやろうという根性が旺盛な私は、できるだけ遠いところ、そして、旅情も味わえるところということで、ローカル線の雄ともいうべき五能線。そして、途中下車で津軽鉄道のストーブ列車に乗ってやろうと、東京を発った。
←左のパスは、このときの旅のものではなく、後日また旅したときの「大人の休日倶楽部会員」の3日パス
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← 津軽鉄道のストーブ列車 JRではないので、この列車への乗車には別料金が必要
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ガイドブックに、ときどき列車内のストーブでスルメを焼いたりする人がいる、と書かれていた。なんと、私が乗った列車では、中年の女性4,5人のグループがストーブのまわりに陣取って干物を焼いていた。そしてしばらくすると、列車の係員がストーブに石炭をくべにきた。係員の仕事はたいへんだ。車掌として停車駅の案内をしたり、駅では安全確認を行ったり、その合間をぬって石炭をくべにくる。いやあ、実にローカル線だなあ。
このストーブ列車に乗るには、五能線(弘前から五所川原を通り、日本海の海岸沿いに南に下っていき、東能代までを結んでいる)の途中駅である津軽五所川原で下車し津軽鉄道に乗り換える必要がある。ストーブ列車は1日に3本だけ走る。五所川原から終点まで乗ってもよかったのだが、太宰治の生家を見に行きたかったので、途中駅の金木で下車した。生家を見学したあとは、五能線を走るリゾート列車である「リゾートしらかみ」にまにあうように五所川原に折り返した。
五能線を、弘前から五所川原まで行くとき、車内で私の方をなにか言いたげにずっと見ている女性がいた。私は全く知らない。そのうちに、私に声をかけてくださった。なんと、私の本(「私はトランスジェンダー」)を読んでいた方で、その著者が乗っているということで気になっていたということだった。看護学校に通っているということ。こんなところで私の著書の読者に会えるなんて。私もちょっと感激だった。
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リゾートしらかみはディーセル列車で、快速という設定になっている。特急や急行ではないので、特急券などは必要ない。しかし、全席指定であるため指定券は必要だ
特急ではないにもかかわらず、車内の席はリクライニングができ足回りもややや広め。このページのあとの方に掲載している旧国鉄型特急車両の塗装を変えただけ程度の「特急かもしか」に使われている485系と比べると、はるかにきれいだ。それでいて特急料金は必要ない。こういうのはうれしいですね。
車内では、途中の区間で、津軽三味線の実演が行われている。先頭と最後部車両にはロビー室部分があって、ここで実演が行われる。これもうれしいサービスだ(下の左の写真)。
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「リゾートしらかみ」もすごく〈よかった〉と思ったのだが、五能線の途中にある「黄金崎不老ふ死温泉」で1泊したあと、翌日に乗ったディーゼルカーは、これぞローカル線という風情が沸々と感じられるものだった。
2両編成。最新型のディーゼルカーではなく、旧来の国鉄時代のディーゼルカーの塗装を変えた車両というのが、これがまたいい(下の写真.下の左は外観、右は車両の中)。乗客がまばらにしか乗っていないというのもいかにもローカルっぽい。
私は「鉄っちゃん」ではないと思うのだが(それほど鉄道に凝っているわけではない)、旧型のディーゼルカーの音は、小さい頃両親と旅行に行った思いでを呼び覚ましてくれる。その昔、九州の熊本と大分を結ぶ豊肥本線(単線非電化)に「急行ひかり」というディーゼルカーが走っていた。両親に連れられてこのディーゼルカーに乗り、熊本から別府まで旅行したことが脳裏によみがえる。鉄ちゃんだったら垂涎のポイントらしい立野のスイッチバック、そして阿蘇のカルデラを通って、ディーゼル独特のうなり声をあげながら走っていく。リクライニングなどはなくても、向かい合わせの座席で家族で弁当を広げ食べた頃は、私にとっては最高の鉄道だったような気がする。その後、「ひかり」の名前は新幹線にとられてしまった。「急行火の山」「特急あそ」と変わり、「九州横断特急」とさらに名前を変えて、今でもディーゼルカーが、1日に3本、熊本と大分を結んでいる。リクライニングの車両になって快適にはなったのだけど、箱形のクロスシートのディーゼルカーには今でも愛着が残っている。そして、その列車と出あえたのだ。さらに、旧国鉄色のクリーム色と赤の塗装だったら、これは感涙ものだったかもしれない。
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JR東日本3日間全線乗り放題の旅はまだ終わりではなかった。北東北には、東京近辺ではなかなか見ることができなくなった古い型の電車が現役で走っている。
ほとんど塗装を変えただけのような、旧国鉄型485系の「かもしか」は青森と秋田を結んでいる。さすがに古さを感じさせられた特急だった。20年、30年前は、この型の特急(色はクリーム色と赤のいわゆる国鉄色)にはけっこうお世話になったなあ・・・なんて郷愁は、この電車に乗るかぎりは感じられない。というのは、今でも、なにやかやでこの型の電車にのることがありえるからだろう。2006年3月18日のダイヤ改正で、新宿から東武日光・鬼怒川方面に直通するようになった「日光」と「きぬがわ」号は、この485系が使われているのだが、全く別の車両になったようにリニューアルされている。先頭部の窓の形もかなり変わったようだ。
最後の乗車列車は、寝台特急「あけぼの号」。青森と上野を日本海まわりで結んでいる列車だ。
JR東日本3日間全線乗り放題パスには寝台は含まれていない。もし乗る場合には、寝台料金は別料金となる。ところが、これにもちょっとした裏テクがあった。
あけぼの号には「ゴロンとシート」という車両が併結されていて、これは要するにB寝台なのである。しかし寝台車扱いではなく一般座席扱いとなっているため、全線乗り放題パスでも乗れることになる。B寝台とはいっても寝台車と全く同じであれば、誰も6000円以上も出して寝台料金を払う人はいなくなく。差別化はリネンの有無にあった。
ゴロンとシートには、毛布やシーツ、浴衣などのリネンサービスがついていない。要するに、寝台がセットされているだけなのである。しかしそれでも十分だった。ゆっくりと横になることはできるし、カーテンで仕切って個人の空間をつくれることはB寝台とかわりはない。
実はあけぼの号には、「レディス・ゴロンとシート」という車両もついていて、こちらは女性専用車。よほど、この車両を予約しようかとも考えたのだが、万一、あとでトラブルになっても面倒くさいと考えて、男女兼用の一般のゴロンとシートで乗ってきた。
寝台車だからといって、すべてに寝台料金がかかるわけではなく、一般座席扱いで乗れる設定を持っている列車もある。鉄ちゃんだったら、こういう情報は詳しいだろうなあ。
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