女の子って危険がいっぱい
 
 自分の全生活が「男」だけのときは、女の子の気持ちや感じ方って、頭ではわかっていることがあったとしても、たぶん、実感としてはわからないことがあると思います。そのひとつに、女の子は危険に取り囲まれているということ、これを今回は書いてみますね。
 
 女の子って、「見られる性」「ねらわれる性」ですよね。だから、エッチな心をもった男性につけねらわれることが出てきます。エッチな下心をもって接してきたとして、その人と"ワンナイトラブ"を楽しんでもいいと思っていたらそんなに問題はないかと思うのですが、男性がエッチしたいと思って近づいてきても、女の子の方は嫌だと思うこともしばしばあると思うんです。
 そういうときって、力で劣る女の子は、やっぱり怖い。私(留美子)が、生物学的性は「男」であるといっても、ずっと女の子のポジションをやってきているし、身長も低く(160センチ)筋肉も発達していないニューハーフの子にとっては、力なんか男性には完全に劣っています。だから、男性が力でこられたら、もうひとたまりもありません。だから、気持ちは、女の子と同じ感覚になっています。
 
 ある夏の夜、帰りの電車のなかで、ずっと私のことを見ていた「中東系の男性」がいました。ちょっと気にはなっていましたが、とくにそれ以上のことはないとタカをくくっていました。
 都下の某駅で私が降りると、なんと、その中東の男性は、私の後をつけてくるではありませんか。改札口をすぎ駅の階段を下りても、まだあとをつけてきています。今の言葉でいうなら「ストーカー」ということにでもなるのでしょうか。派出所に駆け込むことも考えましたが、ヘンシンしている私ゆえ、なんだかんだと根ほり葉ほり聞かれるのも困ってしまいます。
 しかたなくそのまま歩いていくと、ややあって、片言の日本語で、「イッショニ、オチャノミニイキマセンカ」と誘ってきます。丁寧に断っても、「ドウシテデスカ」と再三誘ってきます。嫌だから断っているのに、それを「ドウシテデスカ?」と言われても理由のつけようがありません。「嫌です」といっても「ドウシテデスカ」とくるんですもの。日本人男性のナンパ氏なんかとは、ちょっと勝手が違いました。
 このあと、手を握ってきたり、肩に手をかけてきたりしてきました。必死で振り払って「やめてください」と懇願したりしました。本当に恐怖のひとときでした。
 ・・・このあと、とにかくいろんなやりとりがあって、この日は、幸いなことに、振り切って逃げることができましたが、20分程度、本当に怖い思いをした記憶があります。
 満員電車のなかの「痴漢」にも困ったものです。新宿を通る某路線は、雑誌にも載ったぐらいの痴漢の名所です。ミニスカートなんかで乗ったとしたら、ソフトな?あるかないかの痴漢も含めるとすると、5回に3回ぐらいはあってしまうという路線です。
 生物学的には「男」の私ですから、痴漢に対しては、まだまだ余裕をもって接することができるのかもしれませんが、本当の女性だったら、たぶん怖いぐらいの感覚になると思います。はじめは、揺れに任せてさわってきているのですが、声をだすのが恥ずかしくて黙っていると、だんだんエスカレートしてきて、パンティストッキングの上からお尻を触り、そのあとは男性の力で囲い込む感じで、本当に強引にパンティストッキングの中に手を入れてきたりするんです。
 勇気をもって、ここで声を出せばいいんでしょうけれど、満員電車のなかでは、なかなか声をだすことができないものです。そうすると、痴漢氏はさらに強引になってきます。次の停車駅についてドアが開いて逃げるようにして外に出て、やっと逃れられるというパターンになってしまいます。これで終わりだったら、不快感だけで、それ以上の被害はないのですが、まれに、ストーカーまがいに、駅で降りてからも、後をつけてくる男性がいたりします。後をつけられているということを知らなければ怖くはないのでしょうが、「つけられている」ことを認識した場合は、どうしよう、どうやって撒けばいいの?なんて、頭の中は真っ白になったりします。
 たぶん、本当の女性も、私と同じような経験をしている人ってずいぶんといるんでしょうね。
 女の子って、一歩外に出れば危険がいっぱいっていうのが、本当に実感してわかったことでした。