2006初夏 留美子の小さな旅
↑武蔵野の5月は若葉の淡い緑が目に美しい
↑青空に映えるハナミズキの白い花が可憐だ東京近郊・小金井に残るすばらしい自然
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東京の都心・新宿から西にまっすぐ延びている路線がある。中央線といって、オレンジ色でカラーリングされたJR電車が走っている。
25分程度乗ると武蔵小金井という駅がある。東京近郊の典型的なベッドタウンといってもよい。23区も市部も含めて、東京都の中学生の学力点の平均で、小金井市がトップだったらしく、サラリーマンの勤労階層や知識人が多くすむ場所柄もあってか、教育熱心な家庭が多いのかもしれない。
私は、もうひとつ、この街の環境の良さにあると思っている。武蔵小金井駅から歩いて20分〜30分の距離内に、なんと都立の公園が3つもある。しかも、そのひとつひとつがけっこう広い面積を持っているのだ。子どもたちが、こんな良好な環境のところで育まれれば、勉強も落ち着いてできるというのはうがちすぎだろうか。昔の教育者・ルソーはいう。子どもを育てる要諦は・・・「自然に帰れ」と。
最も知られているのは小金井公園。武蔵小金井駅北口から北側に歩いて20分ぐらいだろうか。この公園はよく整備されていて「江戸東京たてもの園」のような屋外ミュージアムも併設されている。春は桜の名所でもあり、そのときの人出はものすごい。小金井市と三鷹市にまたがって立地する公園は野川公園。広々とした芝生、さまざまな植生、ファミリーで楽しめる遊具など、こちらもけっこう整備されている。一方、武蔵野公園はちょっと趣がちがう。小金井公園や野川公園のように公園としての整然とした整備はそれほどでもない。逆に、自然の状態をそのままに生かした公園となっている。自然のままに野川という小川が流れ水鳥がたわむれている。子どもたちが水中に住む虫や魚、オタマジャクシをとっている光景をみると、何十年か前の古き良き時代の日本の姿を連想してしまう。
私は、自然のままを生かした武蔵野公園が最も好きだ。今回の「小さな旅」のページでは、この武蔵野公園を紹介したい。
5月の武蔵野公園は若葉の緑と、つつじやハナミズキで埋めつくされるが、1か月前の4月初旬だと桜の季節だ。
武蔵野公園の入口までの道は、野川が流れ、その両岸がちょっとした散歩道になっている。住宅が続いているのでもちろん生活道でもある。
この道に桜の木が植えられている。ソメイヨシノではなくしだれ桜なので、桜のピンクの色が濃い。このちょっと濃いめのピンクが両岸を埋めつくすので、これは壮観だ。ところどころに植わっている菜の花の黄色とのコラボレーションもみごとだ。
やや濃いめのピンクの桜といえば、伊豆の河津桜が有名だが、ここも負けてはいない。住宅地とあって、河津桜のように宣伝はしていないが、小金井市民には、ちょっとした名所となっている。![]()
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自然のままを生かした公園とはいえ、ハナミズキとつつじの間をぬうように煉瓦の小道がつくられている。そして、ところどころにはベンチがあり、しばし目を休ませてゆっくりするのはうってつけだ。気候がいいころだと、ここで文庫本を読むのも最高かもしれない。
缶コーヒーでも悪くはないが、ここは、レギュラーコーヒーを淹れてポットに詰めて持っていくのもいい。ソフトなワイン類を持っていって、緑を見ながら飲むのはどうだろうか。
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煉瓦の小道からバーベキュー広場を横に見ながら、さらに林の奥にすすんでいくと、もうそこはワイルド。緑の木々がうっそうと茂り、ところどころには、倒木を利用したようなベンチがしつらえてあったり、水飲み場があったりする。そう、人工的に整然と整備された公園ではないけれど、かといって、自然のままの森林ともちがう。やはり、来園者の便をはかった設備はある。
日比谷公園のように、あまりにもきれいに整備された公園でもなく、かといって、森林そのままを公園にしたのでもなく、その中間的なコンセプトにしているのかもしれない。
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ハナミズキとつつじの小道から、野川という小川を渡ると、自然の林を利用したバーベキュー広場がある。
うっそうとした木立のなかにワイルドな木のテーブルがいくつもしつらえてあって、晴れた休日ともなれば、テーブルとり競争が朝早くからはじまる。ゴールデンウィーク中などは、午前7時に行っても、2/3はテーブルがとられてしまっているといった状態。ひょっとしたら、まだ明けやらぬうちに場所取りだけしているのかなと思ってしまったほどだ。
バーベキューができるのは、午後4時まで。この写真を撮ったのは5時頃なので、この時間には閑散としていた。休日の日中は、こんなに空いていると思ったらおおまちがい。
都心から30分のところに、こんな緑ゆたかな場所がある小金井は、居住環境はかなりいい方なのだと思う。東京もまだ捨てたものじゃない。