留美子が訪れた世界遺産 (4)


自然遺産 知床

(4)知床の岬にハマナスの咲くころ(日本) 2006. 9. 4up


 世界遺産のなかでも文化遺産の紹介が続いてきたので、ここで自然遺産の紹介をしたい。
 これはなんといっても、わが国の「知床」をあげたいと思う。
 日本には世界遺産は13。そのうち、自然遺産は3つで、屋久島、白神山地、そして、ここ知床だ。ユネスコの世界遺産リストに登録されたのは、知床がもっとも新しく、2005年である。
 日本の最後の秘境ともいわれていて、道路が通じているのは、半島の両側にある、ウトロ、もしくは羅臼まで。そこから先は船でいくしかない。

 船で行くとしても、海側から半島を見る以外になく、一般の訪問者が、ウトロや羅臼付近より先端部に行くことはできない。そうすることによって、自然環境が手つかずに残るということになるわけだ。
 冒頭の写真とこの写真は、ウトロよりちょっと先に行ったところで、知床五湖だ。羅臼岳が鏡面のような水面にその姿を写す。
 五湖の名の通り、5つの湖からなりたっている。冒頭の写真は一湖、左の写真は二湖。知床五湖のなかではこの2つの湖が訪れやすい。
 道路が通じているのは、だいたいこのあたりまでで、これより半島先端部は、原生の森が北の大地に横たわっている。

 10年ほど前までは、ウトロと羅臼を結ぶ道路はなく、行き来するには、一度、半島の根元部までもどって、そこから先に向かう以外になかった。
 その後、知床横断道路が完成し、ウトロと羅臼とを車で行き来できるようになった。知床峠付近では、羅臼岳が目の前にそびえる光景をみることができる。そして、途中の道では、エゾシカに出会うこともある。

 半島先端部へは、ウトロ港からでている船を利用することになる。
 片道、1時間半。知床岬がみえてくる。岬の部分は平坦な台地になっていて、そこには原生の花々が咲きほこっている。
 知床岬の向こうには、うっすらと国後島の姿がみえる。
「♪♭知床の岬に、ハマナスの咲くころ♪♭」
「♪♭はるか国後(クナシリ)に白夜が明ける♪♭」
 このあたりは平和な海ではない。2006年夏に、根室の花咲漁港から出港した船がロシアの警備艇に銃撃され、乗組員1人が命を落とすという悲惨な出来事があった。まさに、北方領土をめぐって、日本とロシアとでずっと未解決のままの領土が存在する地域なのだ。