微笑み国・タイの、天使の都・バンコクは
     トランスジェンダー(ニューハーフ)が
         活き活きと自分らしく生きていける都

タイでのニューハーフショーは、1度は見てみる価値があるすてきなステージ


 ショーが終わりホールを出ると、そこには、今し方、ステージに立っていたニューハーフの方々がずらりと並んでいる。20バーツ(60円弱)をチップとして払い、一緒に写真を撮るシステムになっている。60円は、日本で考えると極めてチープな金額なのだが、タイ・バンコクでは、それなりの価値を持つ。ちなみに、街中の屋台で売っている、うんと冷たく冷やした椰子の実に穴を開けて飲むココナッツジュースが20バーツ。日本の自動販売機で買う缶ジュースの半分の値段でしかない。トロピカルな生のココナッツジュースがこの値段なのだから、タイでは、20バーツの価値は、日本で考えるよりはるかに高い。上の写真は、私を真ん中にして撮したものである。日本人とタイ人では、なにかしら顔つきがちがうような気もする。
 さて、それでは、タイのニューハーフショーの片鱗を紹介するとともに、どうやって見に行くかの観光案内も試みてみよう。

 タイでニューハーフショーを見ることができるところといえば、おおまかには3つの都市。
 まずは、首都のバンコク。2大ニューハーフキャバレーは、「カリプソ」と「マンボ」。キャバレーといっても、日本のそれをイメージすると、ややちがう。日本のキャバレーに子どもを連れていくことはないだろうが、ニューハーフのキャバレーはショーを見るところという意味。したがって、ホステスが横に侍ることはない。リゾート地では子ども連れの見学客も見かける。1ドリンクがつくが、喉を潤す程度のものである。
 ここで紹介している写真は、私(宮崎留美子)が実際に訪れたカリプソの写真である

 カリプソは、バンコクでも老舗のニューハーフショーであり、ダンサーのレベルは相当に高い。ショー内容は「物語性」があり、日本のニューハーフショーとは比較にならないぐらいに質が高いといってよいだろう。
 バンコクの中心に、BTS(スカイトレイン)のサイアム駅があるが、その隣駅がラチャテゥイー駅があり、その駅の前にアジアホテルがある。バンコクでは老舗のホテル。このホテルの地下にあるのがカリプソキャバレーだ。
 

 カリプソやマンボのキャバレーの入場料は、その場で購入すると、1ドリンク付で800バーツ(2300円程度)だが、バンコク市内にある現地のツアー代理店でクーポンを買えば、半額以下になる。
 ツアー代理店は、「パンダバス」「ウェンディーズ・ツアー」、そして、あの「H.I.S」。こういたところで購入できるようだ。
 「マンボ」は、車の渋滞で有名なスクンビット通りにある。BTS(スカイトレイン)・スクンビット線のプロムポン駅で降りるといいだろう。ちなみに、この駅の近くに、ザ・インペリアル・クイーンズパークホテルという巨大なホテルがあるが、私はここに泊まったことがある。料金の割にはけっこうゴージャスな雰囲気を楽しむことができた。
 バンコク以外では、近郊のリゾート地(バンコクからバスで2時間あまり)であるバタヤにニューハーフキャバレーが2つあり、こちらもかなり有名のようだ。次にタイを訪れるときには、ぜひ行ってみたいと思っている。
 「アルカザール」と「ティファニー」の2つがそうだ。この2つは、競うようにして、ニューハーフのミスコンテストを開いている。3月の終わりに開かれていたが、今年は4月10日にずれ込んだ。
 どちらもかなり著名なコンテストなのだが、今年から、ティファニー主催による世界のニューハーフのための「Miss International Queen 2004」が開催されるという。
 タイは、今や、世界の中でも、トランスジェンダー(ニューハーフ)の文化をリードする最たる国といっていいのかもしれない。

 ショーも佳境に入ってくると、舞台にはたくさんのダンサーが出てきて、それこそ、きらびやか・豪華絢爛に踊りを舞う。
 満席となった観客からは、なんどもなんども拍手喝采が鳴り響く。

 バンコクは国際都市。東京とは比べものにならないぐらいに、世界各国から人々が集まってくる。地理的条件もいいのだと思う。ヨーロッパと日本や韓国などの極東地域の中間点にあり、6〜7時間の飛行時間で訪れることができ、熱帯サバンナと熱帯雨林にあたるこの国は常夏の地域。そして、ヨーロッパからみれば、仏教文化(上座部仏教/小乗仏教)というオリエンタルな珍しさを醸し出す地域でもある。
 街のあちこちに、そしてデパートに、世界の主要通貨がタイ・パーツと両替できる両替コーナーがある。そこここにあるATMでも両替ができるしくみになっていて、まさに国際都市。
 ニューハーフショーも、そういった国際色を取り入れている。英語の音楽、中国の音楽、韓国の歌、そして日本の歌をバックに踊りがすすむ。左の写真は、「川の流れのように」という日本の著名な曲を背景に踊りが行われているところである。日本的なイメージをモチーフにした踊りだった。
 日本人の観光客とおぼしき集団が、集団で拍手喝采をしていたのを見て、いかにも日本的な観光集団だなあと、やや興ざめ。

右の写真は、ガイさんが教えていた生徒たちとの集合写真.どこの国でも子どもは元気.

 左の写真(上)で、教壇で子どもに教えている人(ガイさん)は、バンコクから3時間ほど行ったところにあるカンチャナブリ市の私立学校で、音楽とダンスを教えている教員だ。
 なんと、2年前まで、バンコクのカリプソでキャバレーのダンサーをやっていたというから、ちょっと驚いた。キャバレーのダンサーが学校の先生にもとらばーゆできる国であるということ。同時に、ニューハーフショーを行う人は、単なる風俗関連のイメージではないということ。一種の芸術家なのかもしれないなと思ったのだった。タイでのニューハーフのダンサーは、決して、その社会的地位は低くないと感じたものだった。
 左の写真(下)は、ガイさんに案内されてクワイ川のリゾート地でのツーショット。クワイ川は、映画「戦場に架ける橋」の舞台となった川だが、今では、熱帯の花々が咲き誇り、バンコクから手軽に楽しめるリゾート地となっている。
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 さて、ニューハーフショーを見ることができるもうひとつの場所は、アジアンリゾートとしては、インドネシアのバリ島と並ぶタイのプーケット島。プーケットのなかでは最も観光客が集まるビーチであるバトンビーチ。その一角にある「サイモンキャバレー」がそうだ。
 ここにも、私はショーを見に行った。うーん。カリプソに比べると、いささか見劣りがした。ショーの物語性や構成力は、やはり、カリプソが上だった。でも、プーケットでの夜のひとときにはもってこいではないだろうか。 ちなみに、「バーン・リム・パ」というタイの宮廷料理を出すレストランがバトンビーチのはずれにある。夕日が沈みかけるころ出かけて、スイカシェイク(これがなんともはまってしまうおいしさ)やココナッツジュースを注文し、パイナップルチャーハン、グリーンカレー、パパイヤサラダを食べながら、海の向こうに沈むサンセットを眺める。ここに2時間ほどいたあと、サイモンキャバレーに出かけてショーを見ると、プーケットの夜は更けていく。